福岡大学病院におけるロボット支援下手術について
2018年4月に肺がんに対するロボット支援下手術が保険適応となってから、近年我が国においてロボット支援下手術が急速に増加しています。当院は2020年4月より当科の佐藤寿彦教授がセンター長を務める最先端ロボット手術センターが新設され、ロボット術者になるための指定見学施設として認定されています。当科にはロボット支援下手術指導医資格を持つ医師(プロクター)が在籍しており、ロボット手術に熟練したスタッフが肺がんだけではなく、縦隔腫瘍、進行がんなど高難度手術にも対応し、九州エリアで最も多数の症例を経験しています。2024年の原発性肺癌切除症例211例中93例(44%)に対し、ロボット支援下手術を行いました。近年ロボット手術術者要件が緩和されたことにより、当科では積極的に若手の先生が執刀する機会を与え、プロクターが責任をもって指導する体制をとっています。
当院は全世界で最も普及しているアメリカ製ロボットda Vinci Xiを2台、国産ロボットであるhinotoriとSaroaのほかに、2025年11月からは1つの創からのロボット手術に特化したda Vinci SPを導入し、合計5台の手術支援ロボットが稼働しています。これほど多くのロボットを有する病院は全国的にも稀です。その中でSaroaはロボット手術における課題である触覚を再現する機能を有しており、Saroaを用いた肺癌に対する手術を2023年7月3日に世界で初めて行いました。
ロボット支援下手術といってもロボットが自動で手術をしてくれるわけではありません。術者は同じ手術室の患者さんから少し離れた場所からロボットを操作して患者さんの手術を行います。患者さんの近くには助手がついており、手術をサポートします。ロボットを用いることで、手振れすることなくヒトの手では再現できない精密な手術をおこなえ、小さな創から腫瘍を切除することが可能です。
当院はたくさんのロボットを使用していますが、患者さんの状態や病状に応じてそれぞれのロボットの特徴を活かした手術を適切に行っています。
当院が導入している手術支援ロボット